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【3・4月号掲載】三叉路
- K.C.Press
- 2020年4月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年4月2日
キャンプを行う動画を見た。一から火をおこし、豆を煎り、手間暇かけてコーヒーを作る。とことんこだわったこの動画の魅力は手間だ。この手間は無駄に近い。例えば料理をするときの手間は必要だ。一方でシェフが木をこすって火をおこす手間は無駄だ。新聞がデジタル化する中で、私が紙で新聞を発行するのはどちらの手間なのだろうか▼紙で発行するにはデジタル版よりも必要な過程が増える。ネタ決めは記事の優先順位と規模を見極めることが大切だ。執筆、校閲と進み、同時並行して紙面のレイアウトを考える。その後印刷し、新聞を折り込み配布する。もし、記事の間違いや修正があれば一枚一枚訂正の処置をとる。サークル活動の範囲では月に一度の発行でも時間と労力がかかるものだ。それならデジタル化すればいいのではないのか▼配布している新聞を手に取った人がふと目についた見出しを見て「こんなニュースもあるのね」と思うことがあるだろう。最後まで読んでほしいが、見出しや最初の数行を読むだけで内容がわかるようになっている。記事を読み進めるうちに別の記事に目が行くようなレイアウトの組み方をしている。興味がない情報をついつい読んでいるかもしれない。普段関わらないであろう人との冒険的な出会いのように、新しい発見を感じてほしい▼K.C.Pressでの紙面発行は無駄な手間と言われてもキャンプのように深い魅力がある。そんな魅力を読者にも感じてもらいたい。
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